殆どの決済をクレジットカードと電子マネーで行っているので、必然的に保持している枚数は多いです。クレジットカードは後払いのため何でも買える気持ちになってしまいがちなので、お金をきちんと管理する方法をしっかり考えてから使うことが大切です。利率の掛からないマンスリー(翌月一括払い)か分割2回(利率が掛からない場合のみ)しか利用しないことも重要です。
クレジットカードの裏側が知りたくて、3年ほどクレジットカードやローンの審査業務をしていました。業務を行うことで、法律関係にもイヤでも詳しくなりましたし、どのような仕組みでクレジットカードが成り立っているのかも勉強させてもらいました。
クレジットカードの仕組み
クレジットカード会社は金貸しです。この概念を絶対に忘れてはいけません。
私たちがとあるお店から5,000円の買い物をクレジットカードを利用して行うとします。このとき、私たちがお店に払う現金は0円、お店も貰うお金は0円。クレジットカード会社は5,000円を私たちに貸したという記録だけを持っています。お店とクレジットカード会社の契約によって異なりますが、お店はクレジットカード会社に手数料を支払い、代金の5,000円をクレジットカード会社から受け取ります。最終的にクレジットカード会社が私たちに5,000円を請求してきて、私たちは1ヶ月以上あとにクレジットカード会社にお金を支払うことになります。
クレジットカード会社はどうやってお金を儲けているのかというと、まずはお店から回収する手数料で儲けています。クレジットカードの還元が成り立つのはこの手数料からはき出されているから成り立つのです。また、利用者側からも儲けを出しています。マンスリーで利率が掛からない場合は利用者側からの利益は0ですが、リボ払いや分割払いにしてくれる利用者からの支払いに利率をかけているため利益がでます。クレジットカード会社はこうしてお金を儲けているのです。
お店がクレジットカード払いを採用するのは、現金を持っていない客が買い物をしてくれない機会損失を減らすことの他に、お金の回収が楽になる、現金の管理をしなくてもすむなどのメリットが存在するから。但し、資金繰りを考えると現金払いをしてくれるお客さんが一番ありがたいのはいうまでもありません。なので、クレジット払いにしようとすると値引きできない等の条件がお店から提示されるのです(クレカ会社の規約違反ですけどね!)。
クレジットカードの審査方法
日本の法律では平成22年からクレジットカード会社に対して必ず、利用者等の1年間の「年収等」、「生活維持費」、「クレジット債務」に基づく「支払可能見込額」を算定して審査することを義務付けています。「支払可能見込額」を超えるクレジットの利用は原則禁止となっているため、支払可能見込額を割り込む場合は基本的にクレジットカードの申込はできません。
また、かならず信用情報を確認するために殆どのクレジットカード会社が信用情報機関CICを利用しています。CICに保有されている情報は「CICが保有する信用情報」に詳しく記載されています。
支払可能見込額の計算方法
「支払可能見込額 = 年間の年収 – 生活維持費 – 1年間のクレジット返済額」という計算方式で算出されます。
たとえば、年収300万、持ち家でローンが有り家族が4人、クレジットの借り入れは無しだとすると「300-200-0=100(万)」が支払可能見込額となります。支払可能見込額がプラスであればカードを作成することは可能ですが、これが0もしくはマイナスの場合、カードを作ることはできません。
詳しい内容は、経済産業省の「早わかり改正割賦販売法」を一読されるとよく分かります。
信用情報を使っての審査
クレジットカードを申し込む際、必ず氏名や住所、電話番号、生年月日、勤務先等の個人情報を記載します。これは信用調査機関に照会をかけるために必要だから申込書に記載してもらうようになっています。法律に必ず信用調査を行いなさいという規定があるため必ず調査を行います。CICには他のクレジットカード会社にどれだけ債務があるかも登録されていますし、支払状況(きっちり払っている、遅れている等)も残っています。CICに登録されている情報に問題があると審査で不可となるわけです。
問題のある情報とは
- 支払が延滞している
- 債務整理を行った
- 自己破産を行った
- 借入額が多すぎる
- CICに情報が全く登録されていないが、20代前半ではない
などがあげられます。いずれにせよ、自分にとっていい条件のカードを作りたい場合はCICに登録されている信用情報をしっかりと積み上げていくこと、つまり適度にカードを利用し、きっちり返済を行うという簡単なことを淡々と行うことが大切なのです。
クレジットカードを選ぶときの基準
クレジットカードが趣味みたいなものなので私個人はたくさん持っていますが、実際利用する場合は多くても5枚ぐらいに集約しておかないとポイントを貯めきれず上手く使えないことになりかねません。3枚ぐらいをバランスよく持つのが利用面でも管理面でもベストかもしれません。
国際ブランドをバランス良く持つ
日本や海外で利用しやすい国際ブランド( 世界中で決済することができるシステムを提供する会社)を各種1枚ずつもつのが理想。日本国内を主に利用するのであれば太字の国際ブランドをまずは持つのがよいでしょう。
- VISA
クレジットカード発行枚数、世界の加盟店数ともに1位で、世界中どこでも使える、もっとも使いやすいクレジットカード。まず作るならVISAを作るとよい。 - Master
日本国内における使いやすさはVISAとほぼ同様、海外ではMasterCardしか使えないお店もある。海外にもよく行く場合はMasterも作成する。日本ではVISAとJCBがあればMasterは不要な場合が多い。2018年2月からコストコでもMasterカードが使えます。 - JCB
日本発の国際ブランド。日本国内はもとよりアジア諸国においては、VISAやMasterCardとほぼ同様に使えます。さまざまな地域において日本語でのサポートが受けられる等、日本人にとっては利便性の高いクレジットカード。VISAとJCBがそろっていれば日本国内では大抵事足りるので、2枚目を作るならJCBを選ぶとよい。 - American Express
富裕層向けクレジットカードだが、最近年会費無料のカードも出てきており敷居が下がっている。 - Diners Club
富裕層向けクレジットカードで審査も厳しい。高級ホテルやレストランでのメリットはあるが、それ以外はあまり利用価値が見いだせないカードのため、カードをお得に利用するという観点からは不要なブランド。
最近は国内でもJCBが使えないお店が出てきていますので、JCBだけでなくVISAも作っておくと大体カバーできるのではないでしょうか。コストコを多用される方はMasterも必須ですね。
クレジットカード発行会社を選ぶ
同じVISAでもクレジットカード発行会社によって、クレジットカードに付帯するサービスが変わります。自分に合ったお得なクレジットカードを利用したいのであれば、クレジットカードDB等のクレジットカード比較サイトを利用して吟味して選ぶと選びやすい。個人的にメインとサブを選んでみました。
メイン:リクルートカード(VISA)
年会費無料(税抜)で還元率1.2%。リクルートポイント⇒Pontaに替えられるので、使い勝手もかなりよくなった。リクルートサービスを利用しなくてもPontaポイントが使えるのはかなり大きなメリット。またポンパレモールでの買い物でもポイントを消化できるので無駄は少ない。nanacoへのチャージを行っても1.2%還元されるので、公共料金の支払でnanacoを経由すれば1.2%の還元が得られる。
ETCカードは新規発行時に1,000円の手数料が発生するものの、年会費は無料なので還元率の高さを考えると発行しておいて損はない。
サブ:楽天カード(JCB)
楽天市場での還元率4%、普通の買い物でも1%の還元率で年会費無料。ショッピング保険がついているのでネットでの買い物も安心。VISA・Master・JCBの国際ブランドが選べるが、VISAを選択して発行。新規発行分はRポイント・Edy機能もついているので財布の中がスッキリしてよい。
楽天で1年間に216,000円以上の買い物を行う・海外によく行くのであれば楽天プレミアムを作るのがオトクです。
3枚目を持つなら
生活費以外で一番良くお金を使う項目を調べ、それに対して手厚い付帯のあるカードを探して持つと良い。このとき、できれば国際ブランドはVISA・JCB以外のものを選択して作成しておくとバランスのよいカードの持ち方となります。
(2016/9/11編集)リクルートカードプラス新規会員募集停止にともない、メインとサブのカード紹介を変更しました。
(2018/1/5編集)国際ブランドの内容を一部変更しました。
(2018/8/21編集)アメリカンエクスプレスの内容を一部変更しました。
コメント 内容についての質問はコメントでお願いします。