2016/4/1から診療報酬が大きく変わります。薬をもらうすべての人にとって一番関わってくるお薬手帳の扱いが大きく変わります。今まではお薬手帳を持たない方がお得だったのですが、これからはお薬手帳を持った方がお得になります。
2016/3/31までのお薬手帳の扱い
お薬手帳を必要とする患者の薬剤服用管理指導料は41点の診療報酬となっている。1点10円で計算を行うので全体の医療費としては410円となる。3割負担の方はこの410円のうちの3割130円を自己負担している。本来であれば、この薬剤服用管理指導料は①文書による薬の説明、②患者の服用履歴の記録と指導、③残薬の確認、④後発医薬品についての情報提供、⑤おくすり手帳への薬剤情報の記載、の5項目すべてを満たすことが条件だった。することでこの41点は請求できるのだが、シールを発行しただけで請求していることが多かったためにおくすり手帳を必要としない場合の点数も用意されたのだ。
おくすり手帳を必要としない患者の薬剤服用歴管理指導料は34点とされており、3割負担の方の自己負担額は110円となるため、お薬手帳をもらわない方が20円お得になっていたのである。
そもそもお薬手帳はなぜはじまったのか?
日本の医療はフリーアクセスのため、たくさんの医療機関にかかることができるが患者の情報が各医療機関で共有されているわけではないため、その患者の申告がなければどのような治療を行っているか、どのような薬を飲んでいるかはわからない。そのため、複数の医療機関にかかっているとあわない薬がだされたり、重複する薬が出たりするなど薬の管理が重要になってくる。薬の一元管理を行うために、患者が各医療機関でだされた薬の履歴をお薬手帳にまとめ、各医療機関でそれを見せることで薬害を防ぎ、薬の無駄を防止していこうという取り組み。
また災害時にもお薬手帳を持っていた方は、かかりつけではない医療機関でもスムーズに治療を受けることはできたきことから、災害時対策としても注目されていました。
本来の用途を考えればお薬手帳は薬の無駄を防ぎ、医療費高騰を防ぐためにも必要なツールであるにも関わらず自己負担が多くなるという矛盾があったため、お薬手帳を持たない方がお得なので持たない人が増えてしまう悲しい状況となっていました。
2016/4/1からはお薬手帳を出すとお得に!
この残念な状況を打破すべく、お薬手帳を利用する環境にするためにお薬手帳を持つ方が安くなる仕組みに変わるのです。
過去6ヵ月以内にかかったことのある薬局に行きおくすり手帳を持参した場合は、処方せん1回につき38点で3割負担の場合は110円。
初めての薬局に行ったり、お薬手帳を持っていかなかった場合は、処方せん1回につき50点で3割負担の場合は150円となる。
つまり、同じ薬局に行ってお薬手帳を持っていけば40円安くなるのだ。
お薬手帳を持ち歩こう
お薬手帳は薄い小さな手帳なので、いざというときのために持ち歩いておこう。そのためにはお薬手帳をただもつだけでなく必要事項を記載し、現状等記載できる範囲でメモしておくと、より役立つツールとなる。
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