2018年7月に義母が近くの市民病院に緊急入院しました。もともと前月の中頃からお腹を壊していて、前月の段階で早く病院に行けという助言もなかなかきかず、やっと重い腰を上げて病院に行ったのが7月の頭ぐらいのことでした。
義母は結果的に「潰瘍性大腸炎」という難病にかかっており、しかも大腸内の炎症が劇症化して大腸が腫れ上がってしまい摘出するしか道が残されていませんでした。
下痢が3日続いたら病院へ行こう
医療関係者(医者や看護師など)の中では下痢は3日続いたら自分では治せない・治しにくい状態になっているので病院にかかるべしという暗黙の了解があるのですが、普通の方々はそんなこと知るよしもなくズルズルとたかが下痢ぐらいと様子を見続ける方も多いのではないでしょうか。
義母の場合それを3週間も続け、7月初頭の週末、痛みに耐えかねて近くの救急に駆け込んだのですが・・・
救急に行くなら事前に確認を
救急は専門医がいるわけではありません。ですので、義母が駆け込んだときも整腸剤しかもらえませんでした。今から思えばこの段階で潰瘍性大腸炎の炎症がかなり進んでいたのではないでしょうか。
少なくとも下痢で病院に行くのですから、しっかりと下痢をみることができる消化器内科の先生が夜勤でいてる病院に行っていれば、もしかするとこの段階で「潰瘍性大腸炎」を発見してもらえたかもしれません。
行こうと思っている救急病院に電話すれば、当直している先生がどの専門医かを教えてもらえます。私が喘息の発作で救急に行く必要性があるときはいつも事前に連絡して内科の先生が座っているのかを確認しています。他の科の場合、喘鳴がないから正常と判断して帰されることもあるのです。
それぐらい専門でない患者をみることは難しいのだと知っておくことが重要です。
病院にいくなら消化器の専門医へ
救急に行った週明けに消化器内科に行くように助言したにも関わらず、蓋を開けてみれば循環器内科に行っていました。昔は内科全般を勉強した医師も多かったのですが、今は分業のような形で循環器・消化器など小さな分野を専門に棲み分けているので、別の専門になると通り一辺倒な知識しかない医師も多いのです。
下痢とわかっていて循環器内科に行くのは、虫歯なのに整形外科に行くのと同じぐらい素っ頓狂な事をしているのです。
循環器内科でベタな食中毒の検査をして1週間を無駄にし、先週の金曜日に炎症反応がおさまらないので大きな病院に行ってくれと市民病院に行かされたのでした。
潰瘍性大腸炎とようやく診断されたけど・・・
先週の金曜日は大雨で、義母が住んでいる地域でも大雨が降り続き消化器専門の医師が出勤できないという不遇に見舞われていました(正直、出勤できないっていうのもどうなの?と思わんでもないけど)。ここで大学病院に転院できていれば摘出しなくてすんだかもしれません。とりあえず診察してくれた内科の先生が自分では診られないから週明け出直してくれと3日間無駄にします。
週明け消化器内科の先生に受診してここで緊急入院となりました。下痢になったときからすでに4週間経過しており、その間マトモに食事も摂取できず身体の状態も栄養失調状態に陥っていました。
入院して3日目に熱が下がらない中、大腸の中をカメラで検査して腸全体が潰瘍にまみれていることが判明、翌日には転院の話が持ち上がりました。市立病院の設備では先進的な治療や手術ができないということで大学病院へ転院。しかも、救急車で医師が付き添う搬送となりました。
急な転院だったのでもしや結構悪いのかも??とこの段階で私自身も想定していましたが・・・思っていた以上に悪くなっていたのでした。
内科的治療は最早選べない状態でした
市民病院の医師・大学病院の医師共に内科的治療ができるだろうという推測で搬送後すぐに内科に入院しました。が、内科の医師が持ってきたCT画像をみてすぐ「大腸摘出しないと腸が破裂して助からない」と。大学病院の内科医師の話では、ここ1週間でとくに酷くなったのではとのこと。早く病院に行っていれば・・・と悔やまれてなりません。
潰瘍性大腸炎はやっかいな病気なので、内科的治療を続けたところで結果外科的治療をしなければならない患者さんも多いのですが、治療の選択肢があるのとないのとでは大違いなんです。
転院直後の段階ですでに腸が腫れすぎていて、お腹の中が汚染されているがために手術も本来1回で済むところを3回にわけて(大体9ヶ月から1年かけて)行わなければならなくなりました。
下痢を3週間放置したがために、大腸を摘出する羽目になるわ、しかも痛い思いを1回ではなく3回もしなければならなくなったのです。
さらに大腸を摘出するということはストマ(人工肛門)から排便しなければならなくなります。手術が無事済んでJ型回腸嚢がうまく働けば排便をまた自力でできるようになりますが、うまく働かなければ永久ストマになるかもしれません。
それでも大腸が破裂する前に間に合って良かったと思っています。もしかすると命を落としていたかもしれませんから。
様子見はほどほどに正しい診療科へ
体調が悪くなったら早めに自分の抱えている症状にあった正しい診療科へ行くことが早期治療への近道になります。医師に任せておけば大丈夫ではなく、自分の身体を守るのは自分という意識をしっかり持ってまずは正しい診療科を選び受診することが大切です。
義母の場合、早い段階で正しい病院にかかっていれば早く潰瘍性大腸炎と診断されていたでしょうし、その段階で内科的治療を選べたかもしれないこと、内科的治療を選べなかったにしても1回で手術が終わったであろうことを考えると自分で買わなくてもいい苦労をたくさん買う羽目になってしまいました。
様子見はほどほどにしないと義母のように大変なことになります。下痢は甘く見ずに3日経過してもダメなら消化器内科へ行きましょう。
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